在宅医療の現状
医療技術の進歩と健康意識の高まりにより、日本は世界にも類を見ないほど急激に少子高齢化が進んでいます。それに加えて核家族化と単身世帯の増加が止まりません。その結果、高齢者の介護や、難病等による長期療養へのサポートを社会がどのように担うべきかが日本全体の課題となっています。私たちの住む浜松でも、全く同様の課題が生じています。
今後は高齢者の数が急激に増えることで、これまでのようには病院や高齢者施設に入れず、十分な医療を受けられずに亡くなる方が増えると言われています。いわゆる「看取り難民」です。これが2030年頃には47万人にもなるという予想があります(※1) 近い将来、病院で亡くなるのは常識ではなくなるでしょう。
私は、自分が亡くなるとき「どこで、どのような最期を迎えたいか」を常に考えて、家族と共有するようにしています。みなさんはいかがでしょう?ある調査によると、およそ7割の方が最期を迎えたい場所として「自宅」を挙げています(※2) しかし現実には、7割以上の方が病院で亡くなり、2割が施設、自宅で最期を迎えるのはおよそ1割です(※3) 「家で最期まで暮らしたい。」そんな当たり前の希望が、なかなか実現できない現状があります。
※1 厚生労働省「平成29年3月22日意見交換資料」等より
※2 人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会「人生の最終段階における医療に関する意識調査報告書」平成30年3月より
※3 「平成27年度人口動態調査」より
住みたいところで、過ごしたいように
「ときどき入院、ほぼ在宅」とは、普段は自宅で生活して、体調が悪くなったら入院して、回復したらまた自宅生活に戻るスタイルのことです。
介護保険制度が始まった2000年を境に、たくさんの在宅介護サービスが充実してきました。これら介護サービス(若年者は障害福祉サービス)を利用することで、「ときどき入院、ほぼ在宅」を叶えながら、自宅で最期まで過ごすことは可能です。そのために必要なのは、普段から自宅へ来てくれる訪問診療(医師)や訪問看護(看護師)です。訪問診療では、外来に通院するように自宅へ医師が訪ねて定期と臨時に診察をしてくれます。
訪問看護は、多種多様な病状の変化への対応と、日常生活へのアドバイスを行っていきます。例えば、日々の体温や血圧などから体調を伺い、医師の診察が必要になればそれを勧めます。また、ご飯が食べられない、排泄がうまくいかない、お風呂に入るのが大変になった、お薬を管理するのが難しくなったなどの日常生活でのお困りごとを手助けしていきます。私はこれまで培った看護師の視点にて、病気を抱えた方も過ごしたい場所で過ごしたいように生活できるようサポートしていきたいと考えています。
Vision:理想とMission:手段
フィット訪問看護ステーション蒲を運営する株式会社fitでは、「すべての人にフィットした生活を」をVision:理想としています。そのためのMission:手段として、訪問看護事業を浜松市内にて展開して参ります。
そのなかで対象となる「人」とは、病気を抱えて暮らす訪問看護サービスの利用者様、それを支えるご家族様はもちろん、日々の在宅医療介護を支える主治医、ケアマネ、その他在宅サービスを担う方々、そして弊社社員も含まれます。浜松で暮らす皆様が、住みたい場所で暮らしたいように生活していけるようサポートするのが弊社の役割です。